もう一人の「フジ子」 Another "Fujiko"

    先日、ピアニストのフジ子・ヘミングさんのコンサートを聴きに行ってきました。

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    私事なのですが、もうずっと昔ですが、20年近くも、ピアノを弾いていた時期がありました。

    音楽が何より大好きで、でも、その道に進むことは叶いませんでしたが、もう弾かなくなってからも、どんな狭い家に引っ越すときでも、楽器を弾けない場所に引っ越すときでも、ずっとピアノを連れて行きました。


    もう動かなくなった指と、古くて音の飛んでしまうようになった古いピアノ。


    いつの間にか、ピアノは古びた置物みたいになってしまっていました。




    4年前、今住む町に引っ越してきて、ずっと憧れだったフジ子・ヘミングさんのコンサートに行くことができました。


    フジ子市からは、少し遠い広島市まで、ダンナさんに連れて行ってもらいました。


    普段クラシックをあまり聞かないダンナさんが、それから、繰り返しフジ子さんのCDを聴いていました。


    コンサートは、「まるで、音が、空から降ってくるみたいだった・・・。」と。 (ロマンチストですな、ダンナさん。)



    それからしばらくして、それまで貯めていた「ワンコ貯金」(犬を飼う日のために少しずつ貯めていた貯金)とボーナスで、新しいピアノを買ってくれました。


    嬉しくて、嬉しくて、久しぶりの澄んだ音のでるピアノの音色にうっとりしながら、フジ子さんのCDを聴き、ピアノを触ってばかりいました。


    もう動かなくなった指ですが、弾いていると、幼かった頃からのことを、沢山思い出しました。



    それから、また「ワンコ貯金」と、並行して「フジ子さん貯金」を始め、「一年に一度、聴きに行こうね。」とフジ子さんがいらっしゃるのを待っていました。


    翌年は、残念ながらフジ子さんは、フジ子(うちの)地方にはいらっしゃらなかったので、少し遠かったですが、その年の公演で一番近かった松山市まで聴きにいきました。




    そして去年・・・・。

    我が家にワンコのフジ子がやって来ました。


    フジ子を長い時間おいていくのもかわいそうだし、「フジ子さん貯金」はいつの間にか「フジ子(ワンコの)貯金」に回されることの多くなった我が家・・・。


    「松山が聴き納めになっちゃったねぇ。」

    と笑っていたのですが。


    今年、何とフジ子さんは、私たちの住む町にいらっしゃることになったのです。

    年明け早々にこのニュースを知った私たちは、もう狂喜乱舞でした。


    しかも、会場は、歩いて20分でいけるホールではありませんか!!


    これなら、フジ子もお留守番も負担にならなさそうです。



    「フジ子(ワンコ)貯金」は急遽、「フジ子さん資金」となり、もう最後になるかもしれないから、と思い切って良い席を予約しました。

    (フジ子よ、しばらくは病気にならないでおくれ・・・・



    当日は、ほとんどフジ子さんのドレスが触れられるのじゃないかと思うくらい近くで、フジ子さんのピアノを聴くことができました。



    私が、フジ子さんのエビソードの中で一番好きなのは、フジ子さんがドイツにおられたころ、下宿の修理に来ていた大工さんがずっと作業しながらフジ子さんのピアノを聴いていて、外にでてきたフジ子さんに向かって、「ミュージック!ミュージック!!」って満面の笑みを浮かべて声をかけてくれたことが、忘れられないほど何より嬉しかったと書いていらしたお話しです。

    「あ、こんなにも喜んでもらえるんだな、ってすごく嬉しかった。たぶん何の曲を弾いているのかさえもわからないのに、私のピアノを楽しんで聴いてくれた。・・・音楽は、みんなのためにあるのよ。」


    その言葉が、フジ子さんの生き方やピアノを象徴しているみたいだなぁ、と思います。


    舞台での様子も、聴いている人や批評家に媚びるところが潔よいほどないフジ子さん。


    ほんとに、ピアノに愛おしそうに語りかけるように、ただただピアノだけに向かって大切に、そして一心に弾いています。



    「ピアノって、こんなに優しい音が出るんだなぁ。」


    フジ子さんが、ほんとに近くにいらしたので、まるでフジ子さんがご自分の馴染んだお部屋で、周りにいる猫や犬たちに弾いてあげているような、時折そんな幸せな錯覚をしながら聴いていました。


    「フジ子にも、聴かせてあげたいなぁ。」


    なんて思いながら、私も、途中から、フジ子が足元にいるような気持ちになって聞いていました。

    目の前のフジ子さんと、降ってくる音に包まれて、魔法のように幸せな時間でした。



    今年83歳になられるフジ子さん。

    次にフジ子市に来て下さるのはずっと先になるかもしれないし、もしかしたら、これが生で聴ける最後になってしまうのかもしれないな・・・。


    そんなふうに思うと、名残惜しくて、帰りにフジ子さんの弾いていらしたステージの床を、こっそり撫でて帰ってきました。



    一方、我が家のもう一人のフジ子さんは・・・。


    帰宅してみると、ケージの中に敷いてあったトイレシーツが、ビリビリに破壊されて、アートのように丸まめられていました。


    「フジ子~ッ


    一瞬、「マズィッ・・・」という顔をしながらも、嬉しそうにスキップしながらピョンピョン駆け寄ってくるフジ子。


    私が、「フジ子も一緒に聴いているつもりで」なんて思っていた頃、実際には、あなたはせっせとトイレシーツ破壊活動にいそしんでいたわけですね・・・。


    ふと、横のトイレを見ると、たった3時間半なのに、2度もオシッコをした形跡が。


    「さみしかったんだね・・・・・。」


    2度もオシッコして、自分で一生懸命緊張や不安を鎮めていたんだろうなぁ。

    愛おしくて、ぎゅゅぎゅ~っっと抱きしめました。


    それにしても、日中はもっと長い時間お留守番になったときでも全然大丈夫なのに、今日はどうしたのかな? 


    フジ子は、夕方~夜の時間に、急に人恋しくなります。


    夜に置いてきぼりにされた記憶が、あるのかなぁ。

    まぁ、そんなことは、どうでもいいか。

    今のフジ子が幸せだったら、それでいいよね。


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    おとーさんに「すりすり」して、ご満悦


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    「満足です・・・」



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    「ぐふぅ~。ぐふぅ~っ・・・・。」という幸せな寝息を立て



    さらに転がって・・・・


    P1000085 (2)
    ソファーのいちばん端まで転がって、固まったまま寝るフジ子



    「もしかしたら・・・・フジ子が、フジ子さんを、こんなに近くまで連れてきてくれたのかな?」

    なんて思ったおかーさんでした。


    フジ子さん、フジ子、ありがとう。


    これからは、「もう一人のフジ子」と、ずっと一緒











    テーマ : 犬のいる生活
    ジャンル : ペット

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    私もフジ子さんの生き方や、彼女の持っている空気感が好きです。生の演奏を聴かれたのですね。それとskipの住んでた松山に来たことがあったのですね(o^^o)
    我が家はコンサート会場からほど近い場所にあります。なんだか、フジ子ちゃんにもグーンと近づいた感じで嬉しかったです。妄想大好きskipママでした。

    Re: タイトルなし

    Skipママさんも、フジ子さんのことをそう思っていらっしゃると知って、何だかとっても嬉しいフジコーギーです(*^。^*)

    そして、スキップちゃんのお家が、あの会場の近くだったなんて・・・! 巡り遭わせって、不思議ですね。

    そういえば・・・あの日、コンサート会場のそばに、桜がとてもきれいに咲いている公園がありました。
    始まるまでの時間、ちょっとドキドキしながら、「ほんとにきれいなところだなぁ。」って桜を見ながら歩いていたんですけど、もしかしたらスキップちゃんも、ママさんと何度も歩いていたかも知れない場所だったかもしれないですね?!
    なんだか、そう考えたら、とっても温ったかい気持ちになりました(^^)

    松山では「坂の上の雲」の大ファンなので、ミュージアムや秋山ご兄弟の生家も行きました~(^_^)
    松山は、ほんとうに素敵な街ですねv-238

    いつの日か、今度はフジ子を連れて、秋山兄弟の歩かれたシーンに思いをはせて(笑)、松山城のそばをしっとり歩きたいなぁ・・・なんて妄想中のフジコーギーでした♪

    公園は道後公園だったのかなぁ。それとも城山公園だったのでしょうか(o^^o)どちらもskipと幾度も訪れた場所です❤️懐かしいなぁ。秋山兄弟の生家前も以前の職場の通勤路で、自転車で通っていました*\(^o^)/*
    わぁ!ホントにフジ子ちゃんに近づいたみたいで嬉しいママさんでした。

    Re: タイトルなし

    わぁ~♪Skipちゃんとママさんがよくお散歩されてた場所だったんですね?
    松山の素敵な街並みを懐かしく思い返しながら、とっても嬉しい気持ちになりました!!
    それにしても、毎日の通勤路に秋山兄弟ご生家があったなんて・・・・なんて羨ましいっ(^o^)
    松山は昨日の豪雨大変な様子でしたね(+_+)
    こちら広島も雨と蒸し暑さで、フジ子ともどもぐったりのフジコーギーですが、Skipママさんも、暑さに負けずお元気でお過ごしくださいね(*^。^*)

    プロフィール

    Fujicorgi

    Author:Fujicorgi
    犬初心者の我が家に、元保護犬の小さなコーギー「フジ子」(推定3歳)がやってきた。鳴かない、遊ばない、ドッグランでも走らない・・・犬らしからぬ超ゆるゆる犬「フジ子」との犬生活がスタート。試行錯誤しながらの、フジ子との日々をのんびり更新中。

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